著者たちは仮想的なオークションゲームを構築してこれが何故ある程度うまくワークするのかを調べている.調査の結果,評判情報がネガティブ情報「こいつは信用できない」であれば,いつでもIDを変えて再参入されるためにワークしないが,ポジティブ情報「こいつは信用できる」であれば,その評判を作り上げるのに時間とコストがかかるためにワークするという結論を得ている.
しかしこれらは完璧ではない.著者が指摘する最大の問題は評判をつける人に正しい評判をつける動機付けを与えることが難しいことだ.これを「大学の教授の授業評価を学生にやらせると必ずしもよい授業を行う教授が高得点が得られるとは限らない」という例を挙げて説明していたりして面白い.
アマゾンやeBayではレビューワーに対してさらに評点をつけるシステム(メタ評価システム)を導入することによりこの問題を極小化している.(もっともこれは原理的にはどこまで行っても最後の評点者の動機付けの問題として残るだろう.)
これに対して学術誌では査読者がピアレビューすることになっているが.査読者に対しての評価は編集者に頼っていることになる.著者たちは学術誌を電子化し,投稿論文は(最低限の基準を満たしていれば)全部公開して,読者はそれまでの自分が得た評点によって重み付けされた年間ポイント分だけ評価できるというメタ評価システムにすればいいのではないかと提案している.
"書評 「ネット評判社会」 - shorebird 進化心理学中心の書評など (via gtokio) (via otsune) (via yaruo)