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"私たちの国の言論人は人々に向かって「もっと努力しろ」と告げるタイプの言説しか語らない。
「そんなにむきにならなくてもいいよ。疲れてるなら、少しの間、休もうよ」といういたわりの言説だけが誰によっても口にされない。
これは異常である、と私は思う。
例えば、環境問題というのは誰が何と言おうと「働き過ぎ」の成果である。
働くほど環境は破壊される。
ほんとうに環境を保全したいと望むなら、自然の再生産が可能な範囲に経済活動を自粛するべきなのである。
緑に覆われたペロポネソス半島はいまは禿山だらけだが、それはギリシャ人が製鉄の燃料のために切ってしまったからである。
古代の経済活動レベルに戻してさえ、それでも環境は破壊されてしまうのである。
そのことを覚えておこう。
繰り返し論及している教育問題についても、同じである。
日本の子どもたちの学びへの意欲が急速に減退しているのは、「勉強すると金になるぞ」という類の経済合理性によるインセンティブを過剰服用したせいである。
小学生たちは深夜まで塾通いをしている。そんなふうにして学習時間はどんどん長くなり、教育費はどんどん高騰し、学力はどんどん下がっている。
それに対して、さらに学習時間を長くして、さらに教育費を高騰させ、学力による格付けと差別を強化することを教育行政はめざしているが、その結果がさらなる学力低下をしか生み出さないことに彼らだって内心気づいてはいるのである。
ただ、脊髄反射的に「失敗したら、さらに努力する」ソリューションしか思いつかないのである。
繰り返し申し上げるが、現代日本の不幸の過半は「努力のしすぎ」のせいである。
私たちは疲れているのである。
私たちに必要なのは休息である。"